「私は貴方のモノ」【完結】


「じゃあ、帰って。タエと二人になりたいから」

「……明日から大学、行かせるよな?」

「…ああ」



そうだ。休学届取り下げないとな。
タエと一緒に行けばいいか。



タエに色々声をかけていた二人がやっといなくなると、俺はすぐにタエを見た。
玄関からタエはパタパタと俺の元に戻って来る。


隣に座ると俺の顔を覗き込んだ。
だけど、すぐにそれを逸らすと。


「……葵と絶対二人きりになるなよ」


そうぼそっと告げた。



「つか、絶対他の男と二人きりになるな。
俺以外とは出来たら話すな。
…それがお前を外に出す条件」


黙って俺の言葉を聞いているタエ。



「俺から離れようとしたら…」


タエをゆっくりと押し倒すと、潤んだ瞳を見て口角を上げる。


「また閉じ込めるから」



ただの、これは俺の嫉妬。
本当は外になんか出したくない。


だけど、タエが俺を好きだと言ってくれるなら。


それを信じてやる。

< 208 / 219 >

この作品をシェア

pagetop