「私は貴方のモノ」【完結】
「じゃあ、帰って。タエと二人になりたいから」
「……明日から大学、行かせるよな?」
「…ああ」
そうだ。休学届取り下げないとな。
タエと一緒に行けばいいか。
タエに色々声をかけていた二人がやっといなくなると、俺はすぐにタエを見た。
玄関からタエはパタパタと俺の元に戻って来る。
隣に座ると俺の顔を覗き込んだ。
だけど、すぐにそれを逸らすと。
「……葵と絶対二人きりになるなよ」
そうぼそっと告げた。
「つか、絶対他の男と二人きりになるな。
俺以外とは出来たら話すな。
…それがお前を外に出す条件」
黙って俺の言葉を聞いているタエ。
「俺から離れようとしたら…」
タエをゆっくりと押し倒すと、潤んだ瞳を見て口角を上げる。
「また閉じ込めるから」
ただの、これは俺の嫉妬。
本当は外になんか出したくない。
だけど、タエが俺を好きだと言ってくれるなら。
それを信じてやる。