「私は貴方のモノ」【完結】
「してない。全然してない」
「…そうか?」
「…ピアノ、ダメ?」
ピアノ、か。
もう随分弾いてない。
言うならば、その日以来だ。
そうだな。
「……タエが歌うならいい」
「え」
タエの歌声に合わせて弾くなら、それもいい。
「何を歌うの?」
「タエのバンドの歌」
「……弾けるの?」
「簡単」
そう言った俺に、少しだけ不貞腐れているタエがわからねえけど。
「じゃあ、これから行くか」
「え?これから?」
「この後何もないだろ?」
「ないけど」
「決まり」
俺がニヤって笑うと、タエは嬉しそうに「うん!」と頷いた。
昼飯を済ますと、俺達は音楽室へと向かう。