「私は貴方のモノ」【完結】
「入学してからすぐに弾いてたでしょ?」
「……何で知ってんの」
そういえば、弾いていた。
音大でもないのに、ピアノなんて何の為にあるんだよって思ったけど。
目についたから、気付けば足が動いて弾いていたんだ。
残ってる人は少ないと思ってたし。
「たまたまだよ、本当に」
「……俺、ここで一度しか弾いた事ないんだけど」
「え」
「しかも、弾いたのも30分ぐらいだったし」
「……嘘」
驚いた顔をするタエ。
こっちの方が驚いてるわ。
だけど、タエは何かを思い出したのか頬を緩ませている。
……何を思い出してるんだ。
「何をニヤついてるんだよ?」
眉根を寄せながら言うと、タエはハッとする。