「私は貴方のモノ」【完結】


「…じゃあ、食べてくれる?」

「………」


イライラを沈める様に溜め息をつくと、目の前にいた女に声をかける。


「ああ、もういいや。来い。
あー…ごめん、何ちゃんだかわかんないけど、こいつ貰ってくわ」

「…はい」


その子はまだ状況を飲み込めてないようだった。
それでも頷き、返事をしたから俺はタエの腕を掴む。


強引に引っ張って俺は駐車場へと向かった。



……何を食わすか。
つか、こいつの好みなんか知らねえし。


とにかく、腹を満たせるモノなら何でもいいか。
ファミレスだな。決まり。


文句は言わせねえ。
食わねえならこっちにも考えあるしな。



車に到着すると、助手席の扉を開けてタエを押し込む。
それから運転席に座ると、タエがはあっと溜め息を小さく吐いた。
< 35 / 219 >

この作品をシェア

pagetop