「私は貴方のモノ」【完結】
「…じゃあ、食べてくれる?」
「………」
イライラを沈める様に溜め息をつくと、目の前にいた女に声をかける。
「ああ、もういいや。来い。
あー…ごめん、何ちゃんだかわかんないけど、こいつ貰ってくわ」
「…はい」
その子はまだ状況を飲み込めてないようだった。
それでも頷き、返事をしたから俺はタエの腕を掴む。
強引に引っ張って俺は駐車場へと向かった。
……何を食わすか。
つか、こいつの好みなんか知らねえし。
とにかく、腹を満たせるモノなら何でもいいか。
ファミレスだな。決まり。
文句は言わせねえ。
食わねえならこっちにも考えあるしな。
車に到着すると、助手席の扉を開けてタエを押し込む。
それから運転席に座ると、タエがはあっと溜め息を小さく吐いた。