「私は貴方のモノ」【完結】
「どうしたの?彬」
梓が不思議そうな顔で覗き込んで来る。
それを無視して、俺は立ち上がるとタエの方へ向かった。
タエの真後ろに立って見下ろす。
タエの友達は俺を見て、驚いた顔を見せていた。
その友達に気付いたタエが振り向く。
そして、俺を見て目を真ん丸にした。
「何で飯食ってねえの」
「え。あ、お腹空いてなくて」
俺がそう言葉をかけると、視線を泳がせてタエは答えた。
その反応にもイライラする。
「金ないわけ?」
「あります」
は?あるわけ?
なのに食べてないって意味不明。
お前、飯食ってねえだろ。