「私は貴方のモノ」【完結】

「どうしたの?彬」


梓が不思議そうな顔で覗き込んで来る。
それを無視して、俺は立ち上がるとタエの方へ向かった。


タエの真後ろに立って見下ろす。


タエの友達は俺を見て、驚いた顔を見せていた。
その友達に気付いたタエが振り向く。


そして、俺を見て目を真ん丸にした。



「何で飯食ってねえの」

「え。あ、お腹空いてなくて」


俺がそう言葉をかけると、視線を泳がせてタエは答えた。
その反応にもイライラする。


「金ないわけ?」

「あります」


は?あるわけ?
なのに食べてないって意味不明。

お前、飯食ってねえだろ。


< 34 / 219 >

この作品をシェア

pagetop