ベルリンの壁ドォォン‼︎
どこにもUSBなんか落ちてないよなぁ。
元彼と別れて2ヶ月が経過している。私はクッションの下や引き出しの中をくまなく探した。
壁越しには何の音も聞こえてこない。西田はちょうど外出中のようだ。
――ピンポーン。
インターホンの音が鳴るとともに、心臓が不安定なリズムを刻む。
「お前の部屋来るの久しぶりだなー」
そう言って、元彼は部屋へ上がってきた。
「一応私も探してみたんだけど、どこにもなくて」
「部屋、全然変わってないね」
テレビやパソコン、ベッドなど、彼は私のスペース内の物に次々と視線を移す。
空気の入った風船が、外側から指でぐにぐにと押されるかのよう。
「とりあえず、何か飲む?」
気まずい雰囲気を感じた私は、台所に向かおうとしたが――。
急に腕を引かれ、後ろから彼に抱きしめられた。
「……ちょっ」
「USB無くしたの嘘だし」
懐かしいシトラス系の香りに包まれ、つんと喉の奥が詰まった。
「やめてよ」
その腕を掴んで剥がそうとしても、彼は力を緩めてくれなかった。
「俺ら、やり直さない?」
耳元に温かい吐息がかかる。彼と付き合っていた頃の思い出が、一瞬だけ、私の頭の中をかすめた。
元彼と別れて2ヶ月が経過している。私はクッションの下や引き出しの中をくまなく探した。
壁越しには何の音も聞こえてこない。西田はちょうど外出中のようだ。
――ピンポーン。
インターホンの音が鳴るとともに、心臓が不安定なリズムを刻む。
「お前の部屋来るの久しぶりだなー」
そう言って、元彼は部屋へ上がってきた。
「一応私も探してみたんだけど、どこにもなくて」
「部屋、全然変わってないね」
テレビやパソコン、ベッドなど、彼は私のスペース内の物に次々と視線を移す。
空気の入った風船が、外側から指でぐにぐにと押されるかのよう。
「とりあえず、何か飲む?」
気まずい雰囲気を感じた私は、台所に向かおうとしたが――。
急に腕を引かれ、後ろから彼に抱きしめられた。
「……ちょっ」
「USB無くしたの嘘だし」
懐かしいシトラス系の香りに包まれ、つんと喉の奥が詰まった。
「やめてよ」
その腕を掴んで剥がそうとしても、彼は力を緩めてくれなかった。
「俺ら、やり直さない?」
耳元に温かい吐息がかかる。彼と付き合っていた頃の思い出が、一瞬だけ、私の頭の中をかすめた。