ベルリンの壁ドォォン‼︎
でも、ダメだ!

「浮気したのはあんたでしょ? 離して!」

私が大声を出しても、彼は「お前がいいんだよ」と引き続き耳元で囁く。

そのまま耳にキスされた。彼の腕を剥がそうとする力が、無意識のうちに緩んでしまう。

「だめ……」

否定する声も、静まり返った部屋の中に消え入りそうになる。

もっと必死に抵抗しなきゃ!

『そんなお堅い性格だから男に浮気されて逃げられるんじゃね?』

抵抗しなきゃ、いけないのに……。


すると、その時。

『んっ、あっ、あーん』

何と壁越しに聞こえてきたのは、いやらしい女声。

それは次第にボリュームを上げ、私の部屋の中にもはっきりとした輪郭をもって響いてきた。

ちょ、よりにもよって今AV鑑賞始めやがった、西田のヤツ!
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