遊川さんは今日も最強

遊川さんはそんな俺を見て、クスリと笑う。


「昨日のこと、覚えてる?」

「や、いや、酒飲んでたところまでしか」

「あらそう」


遊川さんは、観察するように俺を見る。
そして近づいてきたかと思うと耳元にそっと囁いた。


「あんなに激しかったのに覚えてないんだ」

「はぁっ?」


激しかったって……俺、俺-!!
やっちゃったのか。

告白する前から襲うとか最低! 
しかも酔って覚えてないってド最低!


カーっと顔に熱が集まってくる。

遊川さんは俯いて肩を揺すっている。
もしかして……泣いてる?

今度は血がサーッと引いていくのが分かる。今の俺の顔は多分青い。


「すいませんでした!」


勢い良く土下座すると、遊川さんの肩はますます揺れる。


「……っくっ」


くっ?

想像したのとは違う声に、俺が顔をあげると、遊川さんは目尻に涙をためたまま笑っていた。


「ごめんごめん、冗談。網目、酔い潰れて寝ちゃったのよー。もちろん何にもしてないから」

「え? なんだ」


思わず力が抜ける。
遊川さんは俺のおでこをでこピンすると目尻を拭った。


「それともなんかして欲しかった?」


冗談のつもりで言ったんだろうけど、勘弁して遊川さん。

俺の男の本能が元気になってしまいます。
ただでさえ元気だったのに、ますます落ち着かなくなった下半身を布団で隠し、彼女に頭を下げる。


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