Ｓ系課長のアメとムチ～恋はお叱りのあとで～

久しぶりに会う彼は、私の上司になっていた。

三年半振りに彼は課長として、私のいる部署に戻ってきた。
30代前半、保守的なうちの会社では珍しい出世だ。

彼は相変わらず自分にも周りにも厳しく、仕事に情熱を注いでいた。
あの頃と変わらない彼の姿に、私は嬉しくなると同時に、少し期待もしていた。

彼なら、安井萌を鍛え直してくれるのではないかと。
私の指導力不足のせいと言われるのは甘んじて受け入れるとしても、彼女の状態は本来望ましいものではない。
何とかやれる仕事を与えて、あとは野放しにしている状態だ。

彼が私の時のように厳しく、そして根気よく彼女に指導をすれば、彼女もちゃんと仕事をするようになるのではないかと思ったのだ。




だが、私のその期待は裏切られることになる。