思い出の場所で②
その後のクローバー
亜弥ちゃんからのメールを悠紀に見せ、修一先輩がわざと亜弥ちゃんのコートを置いて彼女を追ったことを伝えると、悠紀はすぐに亜弥ちゃんのコートを持ち、店を出ようとしていた。

そんな悠紀の背中に、
「根本くん、どこに行くの?」と、声をかけたのは志村。

志村の問いには答えず、
「ごめん、急いでいるから!あとは頼む!」
悠紀はそう言って店を飛び出した。

悠紀·修一先輩·亜弥ちゃんが出て行った店内。
3人の関係·事情を知っているのは俺だけ。
案の定、みんなからの質問責めにあった。
腹を括った俺は、すべての質問に、正直に答えることにした。

まずは、会の主催者·阿部。
「なぁ山口。あの子、関根さん。クリスマスパーティーに呼べないか?」
「亜弥ちゃんは無理!」
「即答?…どうして?」
「彼氏いるよ」
「…マジで?
彼氏って修一先輩?」
「いやっ。先輩も言ってたけど、先輩と亜弥ちゃんは幼なじみ。
亜弥ちゃんには、その修一先輩が認める彼氏がいるから」
「…そっか。分かった…」

なんとか阿部は片付いた。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop