誘わないで
 
「……何よ、バカにする為にやって来たの? 会議出てたならさっさと戻りなよ。抜け出して何してんの」


 八つ当たりするつもりはなくても、ついつい口調が刺々しくなってしまう。

 将来有望株が聞いて呆れる、と思ったのも束の間、有望とはいえ晃は入社2年目。

 まだまだ若手の域を抜けないのだから、雑用を頼まれたのかもしれない。


「もしかして、お茶足りなかった?」


 電話で指示された通り準備して会議室に持って行ったが、会議室の広さに合わない人数が集まっていた為一人一人に配るのではなく、テーブルの隅にまとめて置いてくれ、と言われたのだった。


「お茶は足りてる。会議はつまらないからトイレ行くフリして抜け出したんだ」


 ティーバッグを捨て、茉莉はタンブラーの蓋をきゅっと締める。

 それでも、晃の方へ振り向く事はしなかった。


「はぁ⁉︎ 何やってんの。バカじゃないの?」


 早く戻れ、と再び口にしようとした瞬間──
 
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