鈴が咲く【前編】
『結界の限界を検知』
目の前で目をつぶり、
意識を集中させて結界の様子を読んでいる柳の声が、
耳から、そして脳内から、
二重になって伝わってくる。
各所にいるみんなに情報が共有されていく。
『一分持つかどうかだ
気張れ!』
柳の素が飛び出て
みんなの士気があがる。
『第一層突破』
怜芽の肩を二回叩いてそのまますれ違う。
「柳、風で閉じ込めて。」
何をとは言わない。
端的な、本当に端的な言葉。
でも、それだけで。
拳を向けてきた柳に自分の手をコツン、とぶつけて、北側に走る柳を見送った。
柳には、通じる。
見送ると同時に意識を別に向けた。