鈴が咲く【前編】
「影武者」
一つだけ残しておいた小狐の目線。
小狐を結界のすぐ近くまで移動させると
結界の前で何人かの男が結界と対峙しているのがわかった。
使ってるのは札と言術か…
もうもたないな
『第二層、第三層を突破
三十はもたないぞ』
柳の声と同時に
プチンと小狐からの情報をシャットアウトした。
『…十あるかないかだ
各自カウントを開始。』
楚宙と柳の術が発動されると同時に
燈兜の元へ向かう。
…いや、着いているべきか
任せる、と肩を叩いた怜芽を一瞥してから
燈兜のいる屋敷の方に走り出した。
ビュオッ
突然背中に聞こえた音に足は止めないままに振り向いた。
空を穿つ竜巻が、
北側の入口の場所にピンポイントで立ち上っている。