鈴が咲く【前編】
「っはい!」
なんで分かっちゃうんだかなぁ…
『サテ鈴よ。
我はそろソろ前に出ヨウかと思うノだが。』
「お供します」
『随分食イ気味な回答だノウ…』
私の返事を聞いて、苦笑するように笑って、
表情が、抜け落ちた。
『…行こウか』
当主の顔になり歩き出した燈兜の
どこを歩くか一瞬迷って、
二歩後ろについた。
横はおかしい。
前は有り得ない。
三歩後ろは関係性からして失礼。
そして、二歩なら。
二歩なら、どうにか庇える位置。