素直になりたくて～メイクに恋してあなたを愛す～

最大のピンチ

今日は木曜日。
会議の2日前となった。



もうプレゼンの資料も作ったし会議へ出す口紅のサンプルも作った。
後はもう会議を待つだけなので私は別の仕事に取り掛かっていた。




「佐藤せんぱい、これ前に頼まれた資料です。
遅くなってすみません……」

「いや、大丈夫。
これは今月末までの締め切りだから。
それより悪かったな？キツかっただろう？」




佐藤せんぱいに資料を渡せば優しい笑顔でそれを受け取ってくれる。
しかも遅くなったのに私の心配までしてくれている……。
本当に優しい人だな……。




「いえ、大丈夫です！！」

「そっか。
会議……頑張れよ？」

「はいっ！」




佐藤せんぱいは私の肩を軽く叩きどこかへ行ってしまう。
私も自分のデスクに向かおうと歩き始めれば
一瞬だけ恐ろしい……殺気みたいなものが私に向けられる。




「っ……」




私は急いで辺りを見渡す。
だが、そこはいつもと変わらない仕事風景。


……いったい何なの……？