素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「夏香~。
お帰り、遅かったな?」
「ちょっと部長と話しててさ」
自分の部署に戻れば大樹が笑顔で迎えてくれる。
それと……。
私に向けられる冷ややかな視線があまり感じない。
私の事を嫌っている人は確かにデスクにいるのに……。
私は不思議に思って首を傾げる。
「泰東、早く仕事しろ」
「あっ……はい」
橘部長に言われた私は急いでパソコンと向き合う。
「なぁ、夏香~」
「ん?」
「アイツらさっき橘部長に呼び出されてたんだけど何か知ってるか?」
大樹が小声で私に訊いてくる。
アイツらとは私の事を嫌っている人先輩たちの事だろう。
大樹の視線もそっちに向いているし……。
私の頭には少し前の光景が浮かぶ。
打合せ室にいた橘部長と先輩たち。
そして橘部長が言っていた言葉。
『泰東はな……。
お前らにどれだけ悪く言われようと決して立ち止まることはしなかった。
自分の企画を成功させようと必死になって頑張ってる』
『お前らが考えているような汚い真似なんて一切していない。
これ以上アイツへの、頑張っている奴への侮辱は許さない』
もしかして……。
橘部長のおかげで私への冷ややかな視線がなくなった……とか?
「夏香?」
「え……あぁ……知らないよ?」
「そっか」
私は首を横に振りながら大樹に返事をする。
そうすれば大樹は私から目を逸らし仕事の続きをしていた。
私は気付かれないように橘部長の方に視線を向ける。
相変わらずの無表情でパソコンに向かっている橘部長。
橘部長を見ればやっぱり胸が少し温かくなる。
お帰り、遅かったな?」
「ちょっと部長と話しててさ」
自分の部署に戻れば大樹が笑顔で迎えてくれる。
それと……。
私に向けられる冷ややかな視線があまり感じない。
私の事を嫌っている人は確かにデスクにいるのに……。
私は不思議に思って首を傾げる。
「泰東、早く仕事しろ」
「あっ……はい」
橘部長に言われた私は急いでパソコンと向き合う。
「なぁ、夏香~」
「ん?」
「アイツらさっき橘部長に呼び出されてたんだけど何か知ってるか?」
大樹が小声で私に訊いてくる。
アイツらとは私の事を嫌っている人先輩たちの事だろう。
大樹の視線もそっちに向いているし……。
私の頭には少し前の光景が浮かぶ。
打合せ室にいた橘部長と先輩たち。
そして橘部長が言っていた言葉。
『泰東はな……。
お前らにどれだけ悪く言われようと決して立ち止まることはしなかった。
自分の企画を成功させようと必死になって頑張ってる』
『お前らが考えているような汚い真似なんて一切していない。
これ以上アイツへの、頑張っている奴への侮辱は許さない』
もしかして……。
橘部長のおかげで私への冷ややかな視線がなくなった……とか?
「夏香?」
「え……あぁ……知らないよ?」
「そっか」
私は首を横に振りながら大樹に返事をする。
そうすれば大樹は私から目を逸らし仕事の続きをしていた。
私は気付かれないように橘部長の方に視線を向ける。
相変わらずの無表情でパソコンに向かっている橘部長。
橘部長を見ればやっぱり胸が少し温かくなる。