素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「あれ……僕があげた化粧品使ってくれてないんだね?」

「化粧品……あっ!!」




私は男の人の言葉で思い出したように鞄をあさりだす。
あ……あった!!




「これ、お返しします」




私は化粧品の入った紙袋を机に置く。
いつか会った時に返せるようにずっと鞄の中に入れておいたんだ。




「あら……開けてもくれてないし、悲しいな~」


男の人は口ではそう言っているけどどこか嬉しそうだ。
何でかは分からないけど……。


「本当に君みたいな子珍しいよ」




そう言って紙袋から化粧品を取り出し開けていなかった封を開けていく。




「はいっ」

「え……?」

「ちゃんと使って?
君に使って欲しいんだ……」




そう言って私の手に載せられるチークやグロス、アイシャドウたち。
男の人は私の手をぎゅっと包み込む。


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