君への距離~僕らの未来~



「洋子ちゃん?ね、あれしない?」



ぼーっとしていたあたしはハッと我にかえる。




翼が指差していたのは水風船釣りの出店。




「金魚は洋子ちゃんの着物にいっぱいいるからさ、

あれなら怒られないし♪」


そう言って翼は笑った。




「あたしの着物可愛い?」




「うん、可愛い」




あたしは嬉しくて翼の手を引っ張り水風船釣りをした。




翼は赤い風船を釣って、笑ってた。



あたしは2個同時に釣ろうとしてヒモを千切ってしまった。




「欲張りだなぁ~」


って隣で翼がゲラゲラ笑っていた。




「ほら、あげる」




翼が赤い風船をあたしに渡した。




あたしが風船を持ってぼーっとしてたら、


「もっかいやる?」


って聞いてきた。


やっぱりオンナゴコロ分かってない。





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