癒しの王子と気の強いお姫様


彼とは入学当初から仲が良い。お互い言いたい事が言い合える仲で、男女というより同士に近い。


ただ厄介なのは、この男は手が早くあちこちで女性トラブルを抱える名人ということだ。そしてその度に私が手助けをしてやっている。



「もしかして、またなの?」

「お前しか頼めねーんだよ。その代わり汐音の恋も応援してやるからさ」

「な、なによそれ!」

「別に誤魔化すことねーよ。お前が皓を好きなのバレバレだぜ」



ウソだ…なんてこと。雪平に気づかれていたなんて。てことは、皓も気づいてたりする!?


だとしたらかなり私って恥ずかしい女だ。必死にアピールする姿はさぞかし滑稽に映っていたことだろう。



「てなわけで。放課後、音楽室な」

「了解」



動揺を隠すように軽く返事をしたが、気分よく去って行く雪平の背中とは裏腹に、私の心中は穏やかじゃなかった。




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