癒しの王子と気の強いお姫様
放課後、一緒に帰ろうと言う皓を振り切り音楽室に向かうと、すでに雪平と見知らぬ下級生の女子がもめていた。
「よぉ、遅かったな」
入るや否や、雪平に腰を抱かれ密着された。この男、調子に乗りすぎ。どうしようかと思っていたその時だ。
雪平が私の顎を掴んだかと思ったら、唇の横にキスをしてきた。なにをするんだこの男!
(少しの間、我慢しろ)
雪平がぼそっと呟いた。
あぁ…たしかにこの角度なら、どう見ても彼女にはキスしているように見える。だからといってこれはやり過ぎだ。どう始末してくれよう。
すると彼女は、何も言わずにダッシュで音楽室を飛び出して行った。
終わった…。ホッと一息ついたのはいいが、雪平は一向に離れる気配がない。
「ちょっと、離れなさいよ」
「やだね」
ジタバタともがいていたら、扉の向こうに人影が現れてその人物と目が合った。