悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「どんな感じにしてほしいとか、要望はある?」
椅子に座ったひよりが、取り巻く皆を見回して言い、一瞬黙り込んで考えた俺達は。
「カッコ良く!」
「スタイリッシュなのがいいな」
「……パンチのあるやつ」
人差し指を立てる涼平に顎に手をあてる相模、ドラムセットを拭きながらぼそりとサブちゃんが、口々に言った。
皆の意見をまとめてやろうと、棒付きの飴を舐める俺も、片方の頬を膨らませつつ口を開く。
「とりあえずいい感じに」
「む、難しい……!」
頭を抱えたひよりは、あんたのが一番ぼやっとしてるし!と俺につっこんでくる。
「だーいじょーぶ。ひよりの描いたやつなら文句言わねぇよ、俺らは」
眉根を寄せているひよりの後方に回り、彼女の肩を抱くように手を回してぽんぽんと叩く。
もう片方の手で飴の棒を持ち、困り顔で俺を見上げる彼女に笑みを向けた。
「頑張ったらごほうびやるからさ」
ん、とまだ半分も舐めていない緑色の玉をひよりの口に近付けると、反射的に唇がわずかに開く。
その唇の隙間に、無理やり飴を挟んでやった。
椅子に座ったひよりが、取り巻く皆を見回して言い、一瞬黙り込んで考えた俺達は。
「カッコ良く!」
「スタイリッシュなのがいいな」
「……パンチのあるやつ」
人差し指を立てる涼平に顎に手をあてる相模、ドラムセットを拭きながらぼそりとサブちゃんが、口々に言った。
皆の意見をまとめてやろうと、棒付きの飴を舐める俺も、片方の頬を膨らませつつ口を開く。
「とりあえずいい感じに」
「む、難しい……!」
頭を抱えたひよりは、あんたのが一番ぼやっとしてるし!と俺につっこんでくる。
「だーいじょーぶ。ひよりの描いたやつなら文句言わねぇよ、俺らは」
眉根を寄せているひよりの後方に回り、彼女の肩を抱くように手を回してぽんぽんと叩く。
もう片方の手で飴の棒を持ち、困り顔で俺を見上げる彼女に笑みを向けた。
「頑張ったらごほうびやるからさ」
ん、とまだ半分も舐めていない緑色の玉をひよりの口に近付けると、反射的に唇がわずかに開く。
その唇の隙間に、無理やり飴を挟んでやった。