悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
ちら、と斜め前にいる柳を見やると。
口元は上向きの弧を描いていて、厚めの前髪から覗くアーモンド型の瞳はリカを映している。
もし二人が付き合ったら、柳は毎日こうやってリカを眺めるんだろうな。
美男美女だし、お似合いのカップルだ。
……あれ、なんかまた胸がちくちくと痛い。
何だろう、この間から感じるこの痛みは。
……まさか。まさか、あたし──
「なぁ、相模」
一つの答えを導き出そうとした時、柳が相模くんに話を振る声が耳に入って我に返った。
まだ食事も途中だったことを思い出して、慌ててフォークに刺したままの鶏肉を口に放り込む。
あたしは何を考えてるんだか。
やめよやめよ。今は変なこと考えてないで、皆とのランチを楽しまないと!
「相模もわかると思うけど、最初は弦押さえるのがすげー痛いんだよな」
「あぁ、そうそう。慣れるまではそれで挫折する人も結構いるって言うし」
「へ、へぇ~そんなに痛いんだ? 難なく弾いてるように見えても、やっぱり苦労してるんだね」
目の前で話す二人にとりあえず乗っかってみると、あたしに流し目を向けた柳と視線がぶつかった。
「お前も弾いてみる? 俺が教えてやるよ」
口元は上向きの弧を描いていて、厚めの前髪から覗くアーモンド型の瞳はリカを映している。
もし二人が付き合ったら、柳は毎日こうやってリカを眺めるんだろうな。
美男美女だし、お似合いのカップルだ。
……あれ、なんかまた胸がちくちくと痛い。
何だろう、この間から感じるこの痛みは。
……まさか。まさか、あたし──
「なぁ、相模」
一つの答えを導き出そうとした時、柳が相模くんに話を振る声が耳に入って我に返った。
まだ食事も途中だったことを思い出して、慌ててフォークに刺したままの鶏肉を口に放り込む。
あたしは何を考えてるんだか。
やめよやめよ。今は変なこと考えてないで、皆とのランチを楽しまないと!
「相模もわかると思うけど、最初は弦押さえるのがすげー痛いんだよな」
「あぁ、そうそう。慣れるまではそれで挫折する人も結構いるって言うし」
「へ、へぇ~そんなに痛いんだ? 難なく弾いてるように見えても、やっぱり苦労してるんだね」
目の前で話す二人にとりあえず乗っかってみると、あたしに流し目を向けた柳と視線がぶつかった。
「お前も弾いてみる? 俺が教えてやるよ」