真夜中のパレード


一人で必死に耐えようとしていた彼女の姿が浮かぶ。


そういえば七瀬は、いつもどこで昼を食べているのか。


気がつくと、会話は少し違った方向に
転換していた。


「こういう時、
せめて彼氏とか支えてくれる人が
いたらいいんだけどね」


「どうなんだろー?」


すると堀田がふざけ半分でへらへら笑いながら
言った。


「俺、立候補しちゃおうかな。
なんか七瀬さん、よく見るとかわいくない?」


上条はその言葉になぜかむっとしてしまう。


途端に女子三人から批難が飛んだ。


「堀田きもっ」

「弱ってるとこに漬け込む男とか、さいてー」


それを聞き、上条はどきりとした。


弱ってるところに漬け込むなんて最低、か……。


何だか痛い所を突かれた気がした。



女子三人は和やかな雰囲気だ。


「でも最近の七瀬さん、ちょっと変わったかもね」


「うん、お菓子あげたら笑ってくれたし」


「今まであんまり話したことなかったからさ。
誤解してたかもって言うのもあるよね」

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