真夜中のパレード

上条はそれを聞いてほっと安心した。


今まで七瀬透子はどうにも浮きがちな所があったけれど、
これをきっかけにと言っては何だが、
彼女の日常が少しでも良い方向に向かえばいいと思った。


上条は手元にある皿をじっと見つめる。



気がつけば、最近はいつも七瀬透子のことを考えている。





――もう、限界かもしれない。





食事を終え、久しぶりに天音にメールを送った。


つい最近までは彼女のことで頭がいっぱいだったのに、
気がつけばもう十日以上も連絡をしていなかった。


きっとどんな決断をしても、
迷いはつきまとう。


上条は深い溜め息をついた。


そしてあることを決心し、
今日の夜、久しぶりに天音と会う約束をしようと思った。

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