真夜中のパレード
上条はそれに戸惑いながら、
天音の手を握り返す。
「……大切な話があるんです。
私の家でいいですか?」
そう問いかけると、
嬉しそうに笑って返事をしてくれた。
「はいっ!」
明るい天音の笑顔を見た途端、
さらに罪悪感が強くなって胸を締め付ける。
いつものように車に乗り、
自分の家へと道をたどる。
……彼女のことを嫌いになったわけじゃない。
嫌いになるわけがない。
今だって、愛しいと思う。
何度思い返しても、
彼女と一緒に過ごした時間は、
楽しい思い出しかない。
道で絡まれているのを助けた時、
一目見て恋に落ちたこと。
自分に不似合いな薔薇の花束を買って、
困惑しながらプレゼントしたこと。
初めて映画に行った時、
噴水の前でキスしたこと。