真夜中のパレード



――そんなの、分からない。





ただの同情だと言われれば、
そんな気もする。


勘違いかもしれない。




自分はもしかしたら、
とんでもない失敗を犯したのかもしれない。



何の意味もないことかもしれない。




けれど、
自分が守りたいと思った。




どうしても七瀬透子の側に、


自分がいたいと思ったんだ。



まだ七瀬透子本人にすら言っていない。



一人で先走って、
今天音さんを傷つけてまで別れる必要があったのか。


七瀬透子にだって、
とっくに恋人か大切な人がいるかもしれないのに。


どうすればいいのか、
本当はまだ分かっていない。




けれど、
これが最後なら、


せめて天音さんには誠実でいたいと思った。

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