真夜中のパレード




冬馬が帰った後も、
透子の頭の中は混乱していた。


冬馬が何を話していたのか、
はっきりと覚えていない。


誰もいなくなったしんといた部屋で、
透子は床に座り込んだままぼーっとしていた。


身体にはまだ、
冬馬の腕の感触が残っているようで。




「俺と付き合ってみるか?」



冬馬の言葉を思い出すと、
どきりと胸が鼓動した。




「別に、今さら答えを焦ったりとか、
しねぇから。

とりあえず考えといてくれ」


と、いうようなことを。


言っていた、気がする。


思い出すと顔が赤くなった。



……冬馬が、自分を好きなんてことが、

ありえるだろうか?



想像するだけで、
頭が爆発しそうだった。

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