真夜中のパレード
よくない。
非常によくない方向に話が向かっている、のは分かる。
しかし咄嗟に思考が追いつかなかった。
この人は、一体何を言っているのだろう。
そのくらい普段の上条と、今のセリフは結びつかなかった。
あなたのような美しい女性にあったのは初めてです???
何だろう、その口説き言葉の常套句のような物は。
「あの!」
「は、はい」
上条も上条で必死だった。
なにせ初対面の女性にこんなに積極的に接しようとすることは、上条にとっても初めての体験だったからだ。
「これで終わりにしたくありません」
それから一気に言い切った。
「連絡先を教えてもらえませんか」