真夜中のパレード
☆
「おはようございます」
「ん?」
ごしごし目をこすり、寝ぼけ眼に一番に
飛び込んで来たのは、美しい天音の顔だった。
「あっ、天音さん!」
心臓が大きく高鳴る。
寝起きに突然見ると、まるで天使か何かかと思った。
天音は乾いた服を乾燥機から取り出し、
昨日着ていた水玉柄のワンピースを着ていた。
「服、ありがとうございました」
彼女があいかわらず愛らしい表情でにっこり笑う。
「いえ」
この服も似合っているけれど、昨日のショートパンツを思い出すと
少しだけ名残惜しい気がした。
それと同時に昨日の夜布団から伸びていた
艶かしい白くて長い足を思い出し、一人で動揺する。
上条は顔を擦ってきびきびと立ち上がった。
「すみません、起きるの遅くて」
「いえいえ、私もさっき起きたところですから」
天音がどうしてかくすくすと笑っていて、疑問に思う。
「どうかしましたか?」
「いえ、上条さん、変わった眠り方をしているなと」
「あぁ……」
言われると、身体が少し痛い気がした。