課長が私に恋してる?


「すみません、経理、もっと勉強します。次からはもっと早く仕事を終わらせられるようにーー」



「厳しい言い方をするようだが」



言い訳めいた琴子の言葉は、如月のぴしゃりとした言葉で封じられる。
ハッと顔を上げると、真剣な如月の顔。



さっきのように強張った固い顔ではない。
もっと強い、信念のようなものが見え隠れする、そんな瞳。



「次から頑張ろうなんて思うな。それはお前の甘えにしかならない」



真っ直ぐ、
胸に突き刺さった。



言い訳めいた言葉でこの場を丸く収めることなんて許さない、そう、如月の目は語っていた。
言い訳をするつもりはなかったけれど、そう彼には聞こえていたんだということに自分の真剣味が足りなかったことを痛感する。



自然、背筋が伸びる。さっきのような恐怖からではなく、畏怖に近い。この人の話を聞かなければ、そう感じさせる力があった。



「頑張るというスタートは"次から"じゃない、今この瞬間から始まってる。メモを取ることもそうだ。今出来ることを今やらないと次からだって上手く出来ない。甘えは、捨てろ。いつまでも聞けばいいや、じゃ何も変わらないだろ」



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