課長が私に恋してる?
頭をガツンと殴られたようだ。
ビシビシとクる。
直接胸に響くのは多分、心当たりがあるから。
メモを取っていたペンにギュっと力が入る。
さっき課長に言われた言葉に何も返せなかった自分。
仕事に本気を出していない自分。
いつのまにか自分に甘いことに当たり前になっていた自分。
そんな自分を真っ向から突き付けられて。
琴子は情けなさよりも悔しさが増す。
この目の前の男に、こんな自分しか見せれていないことが悔しい。
もっと出来るはずなのに、もっと頑張れるはずなのに、こんな自分を本当の琴子だと思って欲しくなんかないのに。
「………すみま、せん」
この、男が。
琴子の謝罪を求めているわけではないということは容易に想像できたけれど、言わずにはいられなかった。
仕事を邪魔してしまったことへの謝罪か、こんな不甲斐ない自分を見せてしまったことに対する謝罪か、何に対するものかは自分でもわからない。けれど。
「悔しい、です。甘えてた、なんて言われて、その言葉に悔しさを感じるどころか、こんなにストンと腑に落ちてる自分が何より悔しくて恥ずかしい」
口からポロポロと溢れた本音に、如月が苦笑を洩らしたのが分かった。