足音
ドサッとか。
バサッとか。
そんな音が、見事に稲毛の頭にヒットした。
「ぅあ!?」
叫ぶ稲毛をよく見ようと涙を拭う。
紙の、束だった。
大量の紙が、束になって彼に降ってきたのだ。
「なっ――」
そして私を揺さぶる音。
――スタスタスタ。
「なん…で」
南が、プリントを階段の上から投げたのだ。
「…わかんない」
困ったように首をかしげた。
「…じゃ、じゃ…もっと私はわかんないよっ」
なんで。
だって、この恋は終わったんだ。
彼が私に気がないのは、さっきの会話でわかったじゃん。
もう二度とって、ふんぎりつけようとしたのに。
舞い上がっちゃうよ、私。
「てっめ…」
「行こ、加世」
くい、と手を繋がれる。
繋ぐより掴むだけど、それだけで胸が高鳴った。