足音
パタパタパタパタ。
スタスタスタ。
合わないリズムを合わせようと、必死に走ってくる。
上履きが廊下につく音が二つ、鼓膜を揺らす。
なんだか胸がくすぐったい。
かわいいくすぐり方ではなく、嫌な虫が肌を這うようなくすぐったさ。
胸にだんごむしがへばりついて、こしょこしょと這いずり回るような不快さ。
「稲毛がどうしたの?」
「あ、あー…なんか、言い寄られててさ」
罰が悪そうに、無理矢理笑う。
それになぜかイラついた。
「合コンとかいうのに、ミミに付き合わされた時に…ね」
キラキラした世界の話はよくわからないけど。
「合コンか…彼氏探すために行くもんだろ?万々歳じゃんそれなら」
「え、」
彼女の笑顔が凍りつく。