「お前なんか嫌いだよ」


「ま、そんな風に言っててもお前さ、なんだかんだ主任のことけっこう好きだろ」



にやりと笑って内田は立ち上がった。



「なっ……!」



「じゃあ、お先ー」



抗議の声を上げる前に、内田はさっさと盆を持って去って行ってしまった。



その後ろ姿をモヤモヤした気持ちのまま見つめる。



「……まー、だからこそ、辛いところではあるんだけどなあ…」



内田の言葉にすぐに返事出来なかった自分。
自分の気持ちも、きっと相手の私に対する気持ちも知っているからこそ、あの冷たすぎる視線は私には痛すぎるのだ。




どうしたらちゃんと夏樹主任と普通に接することができるんだろう。



多くは望んでいないはずなのに、どうやらこの壁は私にとってあまりに高すぎる気がした。



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