「お前なんか嫌いだよ」


「あんまり、無理しないでくださいね」



そうため息混じりに微笑むと、主任は少しだけ驚いたように目を見開いて、そして。



「おまえは、いつもいつも…!」



そう、苦しげに呟いたかと思えばいきなり視界が遮られて、ドンっという音の後、私の唇には何か温かい感触が触れていた。



「………っん」



頭の中が真っ白になる。
目の前、隙間もなく夏樹主任の整った顔がある。



唇には優しい感触、でも、それが何か答えを出す前にそれは離れていく。



「な、つき主任………」



呆然と目の前の男を見つめる。
上気した頰、何かを耐える熱を孕んだ双眸、その、すべてが私の知らないもので。



「お前なんか嫌いだよ」



次いで告げられた言葉にますます何をされたか分からなくなった。



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