壁ドンってステキッ!
アイドルスマイルをされて、胸がドキンと高鳴る。


「あの、ほんとになんでも?」


瑠偉と話してることでもありえないのに、こんなチャンスめったにないと思った私は、思い切ってそう聞いてみる。


「うん、いいよ。でもさっきのことは黙っててね」


「もっもちろんです!じゃあ、あの、もう一回壁ドンを」


「そんなにあれ気に入ったの?」


そう言うなりさっきみたいに、私をドンと壁に追い詰め頭の上に片腕をつく。


「これで満足?」


「もう一個。頬でもおでこでもどこでもいいです。キスしてください!」


思い切って言ってしまったことに、顔が真っ赤になる。


「あのえっと、すみません。今のは忘れてください。もうこれで十分ですので」


「……いいよ」


「へっ?」


「だからキス、してあげる」


その言葉に、息が止まったような気がした。
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