すずめ日記
淡々と話した。

とりとめもない話のようで、話してくれた時は気にも止めなかった話だったが、何故かハッキリと思い出した。

帰りたい。でも、帰れない。新聞配達をやり遂げたら帰れる。

ただ、そのことだけが目標になって、何の為に大阪で頑張っているのかを忘れていた自分に気付いた。

目標は期限を終えて家に帰ることではなかった、勉強して自分の夢や希望を叶えることが目標だった。

京都の月を観るとは、目標を見失わないで夢を叶えることだ。

父の顔を思い浮かべながら思った。

函館、小笠原、横浜、舞鶴、神戸、呉、小倉、鹿児島、沖縄…船が港に着くたび、各地から届く手紙に綴られた父の文字や言葉に幾度も励まされた。

何処にいても何があっても揺るがない父の思いを確信した時、遠い遠いと思っていた家路が いつも父に見守られていると感じ、間近にあるように思えた。
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