【完】あたしはニセカノ。
「もう、いいよ…」



涼くんなんて、嫌い。



ううん、だけど嫌いになれない。



お弁当だって、食べてくれるし、



ホントにあたしのことが嫌なら、それさえ断るはず。



だけど、そうじゃないってことは。



1%の可能性にだって、かけてみたい気がする。









「何の話だった?俺が聞いておこうか?」




優しいな…三田村くんって。




あたしも、こういう人を好きになればいいのに。




けど、受験票を拾ってもらったあの日に、



涼くんに恋に落ちてしまったから。



もう、その矛先を変えることができない。



きっとあたしは、恋愛に不器用なんだ。



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