クールなお医者様のギャップに溶けてます
リビングを出てどこへ行ったのかと思ったら大きな真紅の薔薇の花束と小さな紙袋を持って来た。

「キザ」と笑うと先生に睨まれた。

「君のイメージは赤だと言っただろ。それを教えてやるために恥ずかしいが買ったんだ。」

「これ、車にでも入れていたんですか?」

「いや、亜樹が寝ている間に予約していたレストランに取りに行って来た。」

「レストラン、予約してくれていたなんて…本当にすみません。」

「いや、いいよ。レストランで渡すのも恥ずかしいしな。」

照れた先生が可愛い。
ニヤ〜っと笑うとその笑い方はやめろと言われた。

そしてもう一つのプレゼントはネックレス。
ベタだけど、これも嬉しい。
先生に付けてもらうとそのまま背後から抱き締められた。

「今度は指輪をプレゼントする。」

「指輪⁈」

「亜樹は俺の妻になるのは嫌か?」

嫌じゃないっていうか、そんな実感が湧いてこないのに、結婚を考えられない。
でも、結婚するなら先生がいいって思う。

「まだ早かったか?ただ、再来月までには親に会ってくれないか?」

「はい?」

「前に言っただろ?36になるまでに連れて来いと言われてるって。俺の誕生日はバレンタインだ。」

「それはまためでたい日にお生まれになったのですねぇ〜。」

背後からから睨まれたかどうかは分からないけど、多分、睨まれている。

それはまぁ、いつもの事だから良いとしても、ご両親に会うなんて緊張する。
でも、大好きな先生のためだ。
先生のご両親に会ってやろうじゃないかっ!

「分かりました。頑張ります。」

「本当か?ありがとう。」

さらにぎゅうっと抱き締められ、あまりの苦しさに悶絶してるとようやく離してくれた。

「亜樹のご両親にもちゃんと会うからな。」

「ミーハーな母なので、覚悟して下さい。」

ハハっと笑う先生の顔を見たら心が温かくなった。
笑顔って大事だな、なんて思う。

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