クールなお医者様のギャップに溶けてます
「なぜ勝手に別の人を参加させようとした⁈」

「す、すみません。」

「なぜだ?」

うぅ、そんな恐い顔で見ないで下さいよ。今回の事は怒られるような事じゃないと思うんだけど。

「よ、予定がありまして…。」

「それは嘘だ。なぜだ。」

「な、何で嘘って決めつけるんですか?」

「物凄く挙動不審だし、顔に出てるぞ。」

昔から嘘は苦手で些細な嘘でも見抜かれていた。
そうか、私、嘘をつくと挙動不審になって顔に出ちゃうのか。
そりゃ、バレる訳だ。
ふむふむ。知らない自分を知るっていうのは面白い。

「勝手に納得するな。俺は今、なぜだと聞いているんだ。」

あの時のスタッフの方たちに会いたくないです、なんて言えないよ。
特にメンツを潰してしまった先輩看護師には会う勇気がない、なんて。
どうしよう。何て言えばいい?

暫く考えても何も思いつかず、黙っていると先生がため息をついた。

このため息、久しぶりだ。
身体が勝手に反応して身動きが取れなくなる。そして逃げたい衝動に駆られる。
でも逃げたら確実にもっと怒られる。
ぎゅっと目をつぶり必死に耐えていると、先生の優しい声が聞こえてきた。

「あの時のスタッフに会いたくないのか?」

「ど、ど、どうして…?」

「やっぱりな。この前、俺に『あの時はすみませんでした』とか泣きそうな顔をして言ってたから気になっていたんだ。」

私、泣きそうな顔してたの…?

「大丈夫だ。俺がついてるから。それに君が思ってるような事はない。」

「どういう事ですか?」

「勉強会に行けば分かる。だから金曜日、仕事が終わったら裏口で必ず待ってろ。」

何が何だかさっぱり分からないけど、もう断れない。

「分かりました。」って言うのが精一杯だった。
< 22 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop