この甘き空の果て
 そして、そのまま、鋭くささやく。

「こんなヒト目のある所で国の否定を大声でしちゃいけないよ。
 誰が聞いているか、判らないからね?」

「だからって、こんな急にキス、なんてマネ……!」

 随分と長い、唇を確かめるようなキスだった。

 やっと離れた口づけに文句を言えば、亮はわたしの耳元でささやいた。

「あいにく、俺には、自分のカラダを支える分しか、手はないし。
 こうでもしないと、楼羅の口をふさげないだろう?
 それに一度。死ぬ前に楼羅の唇の味を知りたかったんだ」

 言って、亮はわたしを壁に押し付けたまま、またささやいた。

「楼羅、愛してるよ。
 許されるのなら、楼羅と一緒に未来を歩きたかった」

 その切ない声に、わたしの心臓がドキン、と鳴り……いつの間にか夢中で返していた。

「わたしも、亮が好き。
 亮が、空へ飛び立ってゆくたびに、無事に帰って来てって祈っていたんだよ?」

 だけど、今度飛び立ったら亮はもう帰って来ないんだ。

 涙があふれてくる。

「行かないで。
 もう……飛ばないで?」

「それは無理。俺が命令に背いて飛ばなかったら。
 俺が罰を喰らうだけじゃない。ハーフの楼羅がこの東国で生きていけない」

 今にもまた、キスをされそうな距離でささやく亮にわたしは首を振った。

 亮が死んだらわたし、生きてる意味無いよ!

「亮が飛べるようには手を貸さないって言ったら?」
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