天狗娘は幕末剣士
「へえ、それでこんなに部屋を散らかしてるの?」
「散らかしてるんじゃない、まとめてるのよ、総司」
今日中に荷物の移動を終わらせろ、と土方さんに言われた私は、早速荷物をまとめていた。
「というか、総司、さっきからずっとここにいるけど……
お仕事しなくていいの?」
「僕、今日非番だからいいの。
だから、杏子ちゃんに遊んでもらおうと思って」
「……でも、今私手が離せないよ……?」
「みたいだね。
じゃあ、おしゃべりしよ?
それなら作業しながらでも出来るでしょ?」
「うん、まあ、それなら……」
ニコニコと笑う総司の横で、私は荷物の整理を始めた。
「それにしても、まさか杏子ちゃんが僕の隣の部屋にくるなんてね。
これから毎日遊びに行っちゃおうかな」
「もう、遊んでばっかりいると、土方さんに怒られちゃうよ?
それに、斎藤さんにも迷惑がかかるし……」
「冗談だよ」
ハハッと彼は笑った。