天狗娘は幕末剣士
「でも、傷はもう全部治ったし、まだ仕事は出来ないけど、お掃除くらいはやりたいし……」
「ふーん、エラいね。
でも、あんまり頑張りすぎちゃうと、また土方さんに怒られちゃうよ?」
「あ、あはは……」
それから、庭の掃除を終わらせた私は、土方さんの部屋に呼ばれた。
丁度さっき総司に言われた様に、私また怒られるのかな……
「あの、土方さん、用事って……」
土方さんの前に座らされ、私は恐る恐る尋ねる。
「ああ、大した事じゃねぇんだけどな。
この後、全員で島原に行こうと思ってよ」
「え、島原、ですか?」
島原は、京で有名な花街。
新選組の皆さんも、時々行っているみたいだけど……
いつもは、個人で行くのに、どうして今回は皆で行くんだろう。
私が不思議に思っていると、土方さんがフッと笑った。