天狗娘は幕末剣士


「池田屋の時の快気祝いをやってなかったからな。

 近藤さんがやるって聞かねえんだ」



なる程!快気祝い!




それなら、確かに花街の方が、華やかでいいのかも!




「へえ!いいですね!

 お気をつけて行ってきてください!」




「おいおい、聞いてなかったのか?

 全員でって言っただろ。

 お前も来るんだよ」




「え……いいんですか?」




「当たり前だ。

 お前も、池田屋で立派に役に立ってくれたからな」




土方さんが私を見て、優しく微笑んでくれた。




その顔を見て、私も笑みがこぼれた。




「ありがとうございます!」




「おう。

 それで、斎藤にもこの事伝えてくれるか。

 しばらくは絶対安静だとは言ったが、今日くらいはいいだろ」




傷が塞がったとはいえ、斎藤さんは土方さんと山崎さんに、しばらくの間安静にするように言われていた。




「分かりました、お伝えてしておきますね」




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