リライト
「これは四年前まで君が住んでた部屋の鍵、わかるね?」
拾い上げた鍵を高崎さんが翳す。
私の部屋の鍵を持ってるということは、高崎さんは……だけど簡単に信じられるはずない。
嘘だという確証もない。
「本当だよ、僕らは付き合ってたし同僚でもあった」
「私と同じ会社に? 会社を辞めてお店を?」
本当に尋ねたいのは、そんなことじゃない。
もっと知りたいことはあるのに、胸の中では知りたい気持ちと引き止める気持ちが入り乱れてる。
ゆっくりと足を踏み出した高崎さんの目に、いつもの温かさはない。
「いや、正確に言うと同じ会社じゃなくてサイドビジネスでの同僚だったんだ」
「サイドビジネス? アルバイトをしていたの?」
「そう、そっちの仕事中に君は事故に遭った。表向きは事故だけど、あれは君を狙っていたんだ」
「え? 私を……?」
高崎さんが腕を掴んだ。
強く押されてよろめいたら背中が壁に触れて、そのまま押さえつけられる。