サクセサーズ
出会い
「くそ…もう歩けない」


降りしきる雨の中、青年は近くにあった木の幹にもたれかかった。身体中から血を流し、息は荒い。そして意識は朦朧としており、立っているのも精一杯だった。


ここがどこかさえもわからない。
歩いて、歩いて。ただひたすら歩いて。
必死に歯を食いしばってここまで逃げてきた。



助けなんて来ないのはわかってる。一人旅をしてきた人の末路だ。




「俺、死ぬかもな…」




意識が薄れていき、全身の力が抜けて行く。青年はそっと瞼を閉じた。
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