サクセサーズ
名もなき村。都会の喧騒とは逆でゆったりとした時間が流れるのどかな村である。村人たちは協力して暮らしあっていた。


その村には、若者たちはわずかであった。大抵の若者たちは都会へ出稼ぎへ行ってしまうためにほとんどは老人ばかり。過疎は進んでいく一方だ。




「わ、わたし、ちょっと村の外に行って花を摘んでくるね」


風でブロンドの髪がなびいた。小さな三つ編みを結んだエメラルドグリーンのリボンが可愛らしい。





「え、リリィ一人で大丈夫?あんた、何年ぶりくらいに村の外出るんじゃないの
あたしついていくわよ?」




「あ、ありがとうローラ。一人で大丈夫だよ。行ってくる」



リリィと呼ばれた少女は手を振って村の出口へと歩き出した。
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