俺様魔王の甘い口づけ



なんとか料理が出来上がり、食卓に並べる。
ウィンリーは嬉しそうにキャッキャと笑う。



「こんなまともな料理、とても久しぶりだ」

「そんな大げさだよ」

「いや、ほんとだよ」



レオが感心したように呟く。
少し、嬉しかった。


ウィンリーも喜んで食べてくれ、あっという間に料理は片づけられた。


食べた後、ウィンリーはお風呂に入りそのまま眠る。
レオと二人、静かな時が流れていた。




「両親の話だけど」




レオが切り出した。
私は、レオの側に座る。




「死んだんだ。4年前」

「亡くなったの…」




4年前といえば、まだウィンリーは1歳くらいか。
そんなころから二人きりの生活を余儀なくされていたんだ。
その苦労を思うと、胸が痛む。



「殺された。魔王に」





続けられた言葉に、締め付けられた胸がさらに痛んだ。
殺された―――…。



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