俺様魔王の甘い口づけ
「助けてって、どうしたの?」
「・・・ここじゃあ、いつ魔王が戻ってくるかわからないから。俺の家に来てくれないか?」
「え、でも・・・」
勝手に出て行くのはなんだかいけない気がする。
私、自分の意思でここに戻ってきたのに。
「頼む、一大事なんだ!芽衣子の力が必要なんだ・・・」
深く頭を下げるレオに戸惑う。
すぐに戻ってくれば大丈夫かな?
「話が終わったら、戻ってくるからね」
「うん。それでいい。だから、頼む」
「わかった。用意するからちょっと待って」
必死な様子に放っておけなくなった。
少しならいいよね。
ルイも今は出ているんだし。
準備を済ませ、レオのもとに向かう。
その時、「キッキー!」と鳴き声がして肩に獣姿のキイが乗った。
「キイ」
「キー!」
「・・・ついてくるの?」
私が尋ねると、コクコクと大きく頷いた。
この姿になると、人間の言葉はしゃべれなくなるらしい。