俺様魔王の甘い口づけ
馬をひたすらに走らせる。
芽衣子が戻ってきたあの場所まで。
そしてついたその場所。
ここに、芽衣子は馬車を置いていた。
いったい、誰に魔術師の存在など聞いたのだ。
ハンスか?
いや、ハンスは魔術師の存在は知っていても、居場所までは知らないはずだ。
ならば、この近くに、芽衣子にその存在と場所を知らせた者がいるはず。
すぐ近くの建物に狙いを定め、中にはいる。
「誰か、いるか?」
声をかけながら中に入っていくと、見知らぬ男が姿を見せた。
「魔王さま直々にいらっしゃるとは・・・。お初にお目にかかります」
その男は、穏やかな笑顔を見せ笑った。